海外旅行保険で重要だといわれるのは「傷害・疾病治療費用」ですが、
実際のところ、一番使えるのは「携行品損害保険」であり、
その次に「航空便遅延保険」となります。
→海外旅行保険の選び方と重要なポイント。クレジットカードの付帯保険で得する理由。
特に、持ち物トラブルは、諦めつくから使わない人も多いし、
保険会社も詳しく説明しないから、知らない人も多いでしょう。
私も知りませんでしたし、
今まで「あーやっちまった」くらいで放置してましたから。
以前、航空便遅延保険で良い経験をさせて頂きましたので・・・
→海外旅行の航空便遅延保険の注意点。遅延は食事代のみ補償対象。具体的な利用例と請求方法。
今回も、面倒臭がらず携行品損害保険を申請してみたところ、
ビックリするほどの保険金額が支払われました。
自分のミスで落としてしまったスマートフォンもOK、
実際に修理する必要も有りませんでした。
ホント知らないと損であり、私は損してました。
説明します。
携行品損害保険で補償される物
携行品損害保険は、盗難された場合だけでなく、事故による破損も含まれています。
しかも、携行する身の回り品が、事故により壊れた場合ならば、
自分の過失かどうかは問わないわけ。知らんかった!
例えば、以下はJCBカードの補償内容。
今回、私が利用したのも「JCBゴールドカード」となります。
携行品損害:1旅行中50万円限度、保険期間中100万円限度
旅行期間中に携行する身の回りの品(被保険者の所有するもの)が盗まれたり、事故により壊れたりしたとき
※自己負担額1回の事故につき3,000円
付帯保険内容照会 | JCBカードのおすすめ保険
※携行品1つあたり10万円限度
海外旅行中に、自分の不注意で落としたスマートフォン。
雨にうたれて壊れたパソコン。うっかりぶつけたカメラ。
階段から落として破損したスーツケース&その中身・・・
全て「携行品損害保険」の対象となります。
今回、私の場合は、iPhoneとカメラを落としてしまい、
スマートフォンの液晶画面が割れてしまった。
また、その時に雨も降っていたので、カメラが濡れて調子がおかしくなった。
全て自分の責任だったわけですが・・・携行品損害保険の対象となりました。
また、携行品損害保険が対象となるアイテムの範囲は広く、
現金や証券を除いた、ほとんどの携行品が補償対象となってます。
例えば、以下はセゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カードの補償内容。
対象外の携行品についても詳しく書いてあります。
1旅行中かつ1年間の限度額30万円
被保険者所有の携行品(現金、小切手、クレジットカード、定期券、運転免許証、コンタクトレンズ、各種書類および別送品を除く)が責任期間中に火災や盗難等の偶然な事故により損害を受けたとき。
1つ(1組または1対)あたり10万円(航空券・乗車券等の損害については5万円)
を限度として自己負担額3,000円を控除した額をお支払いします。
ただし、パスポート損害については再発給費用、渡航書の取得費用を5万円を限度として損害額とします。※修理費および再調達に要する費用については、その被害にあった財物の時価額を超えない範囲でお支払いします。
amex_gold.pdf
以下は、三井住友VISAカードの場合。
危険なスポーツをしていた時の事故は対象外と明記されています。
責任期間中に生じた偶然な事故(盗難・破損・火災等)により携行する身の回り品(被保険者の所有するものまたは旅行行程開始前に被保険者がその旅行のため他人から無償で借りたもの)が損害を受けた場合
保険金をお支払いする主なケースとお支払いする保険金|クレジットカードの三井住友VISAカード
※「携行する」とは、携えて持っている状態、または被保険者が常時監視できる状態をいいます。
※携行品とは、被保険者が携行する身の回り品をいいますが、現金、小切手、株券、手形、預金証書、免許証、クレジットカード、義歯、義肢、コンタクトレンズ、帳簿、図面、各種書類、動植物、自動車、オートバイ、船、その他これらに準ずるもの、居住施設内にあるもの、別送品等は含みません。また危険なスポーツを行っている間のそれらの用具の損害については保険金は支払われません。
まぁ、様々なパターンがあると思いますので、
なんにせよ旅行中に損害が出たのであれば、とりあえず保険会社に相談してみる事をオススメします。
携行品損害保険で支払われる金額
物品損害に遭った場合に、いくら支払われるのか?
盗難の場合は、購入時価格もしくは時価額の低い方。
破損の場合は、修理費用もしくは時価額の低い方となり、
修理金額が明記された書類の提出が必要となります。
※修理できない物は、修理不能証明書が必要です。
携行品損害保険で支払われる金額
- 盗難:購入時価格もしくは時価額の低い方
- 破損:修理費用もしくは時価額の低い方
- 1アイテムにつき限度額10万円
- パスポート損害・乗車券等は限度額5万円
- 1事故につき3,000円の免責金額が必要
※補償金額は保険契約により異なる場合も有ります
パスポート損害は、再発行に関わる手数料で5万円が限度。
航空券や乗車券等も、再購入費用から5万円が限度となってますが、
基本的には、実費負担の証拠が有っての保険金請求となるので、
やはり、物品損害が主な保険請求のパターンになるかと。
修理で補償を受ける場合は、実際のところ修理する必要は無く、
見積りだけで保険申請ができるので、
必ず修理しなければならないわけでも有りません。
修理費用をもらって、どうするか判断する事も可能であり、
修理しないで新しい商品の購入費に充てるとかもできるわけ。
ただ、見積りの際に発生する手数料(送料等)は保険対象外とのことでした。
まぁ、保険申請には審査も有り、必ずしも保険適応となる保証も無いわけで、
とりあえず修理見積り→保険申請するのが無難かと。
携行品損害保険申請に必要な書類
保険申請時に必要な書類について確認がありますが、
保険手続きということで、こちらも色々と審査書類を用意する必要が有りました。
携行品損害保険の必要書類
- 保険金請求書(保険会社から送られてくる用紙)
- eチケットのコピーまたは搭乗券半券
- 購入時の領収書・保証書 ※原本
- 第三者による事故証明書
- 修理見積書または修理費の領収書 ※原本
- 修理不可能な場合は、修理不可能証明書 ※原本
- 損害が確認できる写真または現物
購入時の領収書が無い場合は、
購入日、購入点、購入金額を、申請書類に記入すればOK。
私の場合、iPhoneはApple Storeで購入したので、購入時のメールを印刷。
カメラは、メルカリで中古購入したので、
こちらも購入時のメールを探し出して印刷して添付しておきました。
金額算出資料は「原本」を提出って明記されてましたが、
原本も何も、そもそも貰ってないんだから、印刷するしか無いよね。
また、損害が確認できる写真とありますが、
外観で破損が確認できない場合でも、外観の写真でOK。
私は写真用紙に印刷して提出しましたが、
メール等のデータ提出でも可能ということでした。
第三者による事故証明書とありますが、
私は、同行者もいない一人旅だったんで・・・家族の署名を記載。
不安だったんで、担当の方に確認したところ、
破損事故申請の場合、第三者の署名よりも、
事故時の状況確認と購入時の領収書が重要と仰ってました。
実際、必要な書類は多いけれども、
無くても無いなりの事情が有れば、しっかり考慮してくれるという感じ。
まぁ、この辺は事故状況にも依る思いますので、参考までに。
携行品損害保険申請手続きの流れ
今回、私が利用したのは海外旅行保険が手厚いJCBカードですが・・・
→海外旅行保険が自動付帯!オススメのクレジットカードまとめ。
JCBの海外旅行保険引受会社は「損保ジャパン」であり、
他社クレジットカードの携行品損害保険でも、基本的に同じ流れになるかと思います。
以前、航空便遅延保険でお世話になったセゾンカードでも、
申請書類以外は、ほとんど同じ流れでしたから。
最初に保険会社に電話連絡
海外から帰国した日に、海外旅行保険の引受先保険会社にTEL。
引受先保険会社の連絡先が分からなければ、
カードデスク(クレジットカード裏面記載)にかければ教えてくれます。
まず、事故時の報告をして、保険が適応となるか?
私の場合は、スマホとカメラが落下、
雨に濡れて調子が悪くなったことを報告しました。
確認された内容は、旅行期間、事故が起こった日付、事故が起こった場所、具体的な状況。
続いて、保険で補償される金額についての説明。
1事故3,000円の自己負担が必要であり、1品あたり10万円の限度額が有るということ。
最後に、事故申請に伴う必要書類の確認。
購入時の書類(領収書や保証書)は有るか?とか。
あと、他に加入している保険は無いか?も聞かれました。
複数対象カードを所持している場合、
保険の補償金額の合算や、保険負担割合を決めてカード会社へ請求となるとのこと。
保険の申請書類は、電話後1週間~10日で到着見込みという話。
それまでにこちらで修理手配をして、修理見積書を用意しておくという感じでした。
破損した物の修理依頼→修理見積書Get
破損事故の場合は、修理費=保険金となるので、
保険会社に連絡直後に、スマホとカメラの修理見積り手続きを進めました。
スマートフォン(iPhone)
iPhoneの場合、修理はApple公式サイトからオンラインで修理申請手続き可能でした。
※参考→iPhone 修理 – Apple サポート 公式サイト
故障した事例を選んで、端末を選べば修理見積もり金額が表示されます。
ディスプレイ破損の場合は、破損具合に関わらず一律料金でした。
画面修理だけで、税抜き31,800円→税込み34,344円・・・
やべぇな有機ELディスプレイ。
私の場合は、端がほんのちょっと割れただけ、
写真でも分からないくらいの破損だったので・・・やる?
保険が効く事を願って、勢いで修理申し込み完了。
※修理見積り金額だけでも保険申請は可能です。
対応店舗が近くになかったので、配送修理を依頼。
配送でも修理費変わらないし、申込みの翌日に集荷となりました。
iPhoneそのままヤマト運輸に渡すだけー。
iPhone修理となるとデータは全て消去となるので、
データをバックアップして、SIMカードの取り出し、ケースも取り外し。
私は、Apple Wath Apple Payと使っていたので・・・まぁ、色々と面倒でした。
しかも修理期間中は、iPhoneも使えないわけで、修理期間の所要日数は3~6営業日で、
実際のところ、1週間以上かかって戻ってきました。
いや、まじで修理中はiPhone無くて困ったんで・・・
修理見積りだけで保険申請すれば良かったと後悔。
「実際の修理総額が見積額を下回ることもある」という記載も有ったんだけど、
当初の予定通りガッツリ34,344円の請求でしたから。
カメラ(RX100M5)
続いて、カメラの修理見積り。
私の利用していたカメラは、ソニーのRX100M5。
ソニーの修理センターに電話です。
ソニーの電話対応は、非常に丁寧でした。
こちらも故障の状況を説明し、不具合の箇所を説明。
ソニーのカメラ修理では、申告の有った部分のみチェックとなるので、
思い浮かぶ範囲で、全部言っておいたほうが良いとのこと。
今回の私の場合は、雨に濡れた事、落下した事を伝え、
シャッターボタンの調子がおかしくなり、外観の傷や、
フォーカス不良、起動も遅い・・・気がするとか無理やり色々と調査してもらいました。
費用見積りとしては、24,000円~31,500円が相場であり、
落下や水没の場合は、それ以上の金額になる場合も有る。
また、修理費用は、現金のみであり代金引換払いとなるとのこと。
ちょっと高額なんで・・・旅行保険での修理希望ということを伝え、
とりあえず、見積りだけお願いしておきました。
こちらも店頭、集荷での修理依頼が可能で、
集荷の場合は、配送集荷手数料1,320円(税込)が発生。
翌日午前中からの集荷が可能でした。
バッテリーとメモリを取り出して、配送会社にカメラ本体渡すだけー。
集荷後4~5日で見積り結果の電話連絡あり。
点検してもらった結果、フォーカスと起動時間は問題無く、
シャッターボタンに問題が見つかり、外装キズも交換で、
修理費用は合計43,632円でした。うぉっふたけぇ。
見積書は、郵送、FAX、Eメールと選べましたが、なんとなく郵送でお願いしました。
見積り電話の2日後に、自宅ポストに請求書到着してました。
修理費用が思ったよりも高かったので・・・
保険の結果を待たずして、カメラは返送してもらいました。
商品到着時に配送手数料1,296円(税込)を配送会社に支払い。
これは保険の効かない部分の金額です。
保険金請求書の書き方
修理見積りが終わる頃には、保険会社から保険の申請書類も自宅に届いてるハズ。
私の場合、保険会社にTELしてから1週間も経たず到着してました。
揃える書類は、上述した通り。
面倒なのは、保険金請求書の記入。
保険金請求書に記載した内容
- 記入日
- メールアドレス
- 被保険者の生年月日
- 保険金請求者情報:住所、氏名、生年月日、電話番号、押印
- 旅行期間:日本出国日、帰国日
- 事故内容:日付・時刻、場所、状況
- 第三者による現認書:第三者の署名、住所、電話番号
- 保険金振込指図:銀行の口座番号、名義人、名義人住所
- 他海外旅行保険の契約情報:請求の有無、カード会社、カード番号
- 携行品の損害:損害品名、メーカー、購入店、購入日
以前、航空便遅延保険で記載した書類と同じような内容ですが、
今回は、携行品損害ということで、事故状況、破損アイテムについては詳しく記入する必要が有りました。
特に事故状況については、最初に保険会社に電話した時の内容と同じく、
なるべく具体的に記載した方が良いかと。後で電話確認も有ります。
申請書類到着した日には、一通り書類を揃えて即日返送しました。
添付書類も多いので、封筒も分厚いっすー。
審査結果のTEL→入金
書類発送の3日後、保険会社から最終確認の電話が有りました。
ドキドキの結果・・・保険適応となるという回答を頂けました。うぇーい。
ただ、今回の事故の場合、2つのアイテム破損ということで、
同時に事故が発生したのか?別の事故なのか?という確認が有りました。
これは、最後に言われて気づいたのですが、同じ旅行中でも1事故だと3,000円、
2事故だと6,000円の自己負担となるわけですね。
iPhoneとカメラは同時に落下しており、その後雨に濡れたのはカメラだけだった。
そしてカメラは、後に動作不良に気づいたので・・・
落下で壊れたのか、雨で壊れたのか分からないと、正直に伝えました。
結果、1事故で処理して頂けたようです。ありがたい。
最終的に、iPhoneの修理費用34,344円、
カメラの修理費用42,336円(配送手数料1,296円を除く)、
合計76,680円から免責3,000円を引いた、73,680円の支払いとなりました。
数日後には、大金振り込まれててビックリ。
後日郵送にて、支払明細も届きました。
ホント保険は面倒でも使うべきですね。
携行品損害保険まとめ
1度の旅行で2つの破損トラブル。
実際、破損と言われるほどの被害ではありませんでしたが、
併せて73,680円ほどの修理費用が支払われました。
自分のミスで壊してしまったのに、
保険会社の対応も非常に丁寧で、むしろこちらの味方。
JCBの対応も良かったし、ホントありがとう「JCBゴールドカード」なのでした。
JCBゴールドは、保険コスパ最高のクレジットカード。
国内も海外も自動付帯、家族カード無料、家族特約・・・と、保険の為に所持する価値も有る。
なんにせよ、海外滞在中に壊れた物品は、保険金が支払われる可能性が高いです。
保険申請は面倒ですが、壊れた物が高額なほど、やる価値もあります。
事故時は、テンションはだだ下がりでしたが、
結果的に、なんだか得したような気分になりました。
保険といえど、クレジットカード付帯の海外旅行保険ですからね。
→海外旅行保険が自動付帯!オススメのクレジットカードまとめ。
携行品損害保険は、無料クレジットカードにも自動付帯しているわけで、
保険料という保険料も払って無いから、保険適応を知らないまま損してる人も多いでしょう。
海外トラベラーなら、携行品損害保険は必須。
同様に、航空便遅延保険のクレジットカードも所持しておいた方が良いかと。
携行品損害に次いで多いのが航空便遅延トラブル。併せて知っておきましょう。
→海外旅行の航空便遅延保険の注意点。遅延は食事代のみ補償対象。具体的な利用例と請求方法。
ただ、これほど高額な金額が振り込まれてしまうと、
なんだか後ろめたい気持ちにはなるんだよね。
事故を証明するために、言い訳っぽい感じ。
繰り返し利用するのも気がひけるので、次からはホント気をつけます。
P.S.
クレジットカードの国内旅行保険は、携行品損害が無く、
航空便遅延保険も付いてないカードが多いので、
なんだかんだで、海外旅行に行った方が得する気がする。
遠くの沖縄より、近くの韓国、台湾。物価の安い東南アジア。
クアランプール、バンコクとかとか、下手に国内旅行するよりも安いのでした。
コメント
コメント一覧 (4件)
あリガトーニ
どういたしマーシテ。
こういう詳細な請求方法を残してもらえるといざというときに参考になります。
自分もクレジットカードの保険と保険会社の海外旅行保険で携行品補償の請求したことありますが、クレジットカード会社の方が対応いいし、補償もきっちりやってくれました。
一般的にそういう傾向あるみたいなので、クレジットカードの保険だけで十分かもしれませんね。
私も忘れがちなので・・・トラブル時用に、まとめておきました。
意外と使えるのが携行品損害保険ですし、
クレジットカードの付帯保険でも、保険会社は関係なく対応してくれますからね。
旅行の短期滞在~中期間滞在なら、クレジットカードの付帯保険でも補えるかなと。
私は旅行保険用にクレジットカードも複数枚用意しているので、
別途、海外旅行保険に加入することは・・・無いですね。